
皆様ごきげんよう。東京藝大卒 歌うゲイのおっさんの、河野陽介です。歌を歌ったり教えたりする傍ら、副業でおっさんレンタルをやっています。
さて今回のテーマは「新しい」ということで、最近始めた新しいことについてお話ししていこうと思います。
「ライブ配信」はじめました
まずは、ホントに新しく始めたばかりのことをご紹介しますね。
皆さんは、最近「ライブ配信」が流行っているのはご存知ですか?PCやスマートホンからリアルタイムで映像や音声を放送するもので、多くは雑談などですが、配信者によっては歌や楽器演奏など一芸を披露したり、配信しながら小物やアクセサリーを製作するなんていう人もいたりして、その活用法は無限大だなと感じています。こういうのってアーティストやアイドルや芸能人、またはその卵みたいな人がやるもの、といったイメージがあるかもしれません。でも今やアプリの普及で、大人も子どもも誰でも手軽に楽しめるツールになってきているようなのです。
ツイキャスやインスタライブを使っている方も多いかも知れませんが、ひょんなことからぼくが始めたのは「Pococha(ポコチャ)」というアプリです。元々TwitterなどのSNSで繋がっている人がPocochaでもジワジワ繋って下さったり、一般的なSNSとはまた違った相互的なコミュニケーションが計れるのでめちゃくちゃ楽し
い!
おっさんレンタルを見てぼくに興味を持ってくれた人がT w i t t e r をフォロー、そこからPocochaでも繋がって、放送の内容から人となりを知って下さりレンタルに繋がる、という事例も増えてきているので、超有意義!今後の展望としては、歌ってみた配信や、柔軟ストレッチ配信、筋トレ配信などやってみたいなと思っています。皆さん是非Pocochaをインストールして、ぼくのライブ配信を観に来て下さいね。
「多様な性を考える会」の全国展開はじめました
ぼくは茨城県の神栖市(かみすし)というところに生まれ育ち、今も住んでいます。そこは利根川が太平洋に流れ出る、水と緑の豊かな地域です。鹿島臨海工業地帯や鹿島港を擁し、近年は風力発電の事業も盛んです。とても長閑でのんびり暮らせる良いところ。
そんな場所でぼくは2015年から「多様な性を考える会 にじいろ神栖」という団体を運営しています。きっかけは、地元神栖で2013年に起きた悲しい事件。性的マイノリティの当事者性も背景にあった、高校生同士のトラブルでした。詳しいことは割愛しますが、それがあったから団体設立に繋がり今に至ります。当事者同士のネットワーク作りや困りごとの共有、そんなことを意識して始まったこの会、実は特にホームページなどもなく、主にTwitterで情報を拡散している程度です。にも関わらず、県内全域から色々な人たちが興味関心を寄せて下さり、これまでにたくさんのイベントを開催してまいりました。今では県内各地で性的マイノリティにまつわる講話や研修に招かれる機会も増えてきました。
Twitterは匿名性の高いSNSなので、性的マイノリティ当事者はもちろん、様々な社会的マイノリティとされる人たちが身バレの心配がほぼなく、比較的安全に利用できるツールだと思っています。茨城のようなローカルな場所でTwitter一つでここまでできたなら、他の地域でも応用できるのでは?そう考えて、地元近隣や仕事などで縁の深い地域で「多様な性を考える会」を増やしていくことにしました。
まず1箇所目は、四国の徳島県です。徳島には4年半前から合唱部の指導で定期的にお邪魔しています。そして、ここでもひょんなことから指導先の高校から教員向けと生徒向けの講話を依頼されることになったのが昨年の話。なんと今年も引き続き、同じ高校で講話をさせて頂けることになりました。
そういった実績が少しずつ増えてきていること、それから徳島出身や在住の当事者の友人知人も増えてきたことが重なり、じゃあここでも会を設立してしまおう!という流れです。例に習い「にじいろ徳島」と名付けました。次回渡徳する時に、ちょっとした集まりを開きますよとツイートしたら早速何人かから反応があり、手応えを感じています。Twitterまじヤバ。2箇所目として、千葉県の北東部エリアでも立ち上げることにしました。地元の神栖市から利根川を隔てて隣接する銚子市や香取市といった地域一帯は東総(とうそう)と呼ばれ、渡船などを利用していたはるか昔から今に至るまで、県は違えどマルッと地元のような感じで交流が続いてきた地域です。いわゆる「ちばらぎ」なんて呼ばれることもあります。実際、ぼく自身も高校は越境して香取市佐原の高校に通っていました。そんなご縁もあり、この東総地区でも時々講話や研修の機会を頂けるようになってきており、またやはり当事者の友人知人も増えてきたので、じゃあここでも会を設立してしまおうと
以下同文。近頃は、東総地区の70代、80代の当事者の方との繋がりもでき、やはりどんな地域にもどんな世代にも当事者はいて、様々なニーズがあるんだなと痛感しています。
始めたからには続けることがとても大事。本業やおっさんレンタルと並行して、あるいは時に相互的に、できる限り細く長く継続していけ
たらと思います。ぼくの活動に少しでも興味を持って下さった方、T w i t t e r でも
Pocochaでも何でも是非繋がって下さいね。これからも頑張りますので、応援して頂けたらとても嬉しいです。
河野陽介Kawano Yosuke-
茨城県神栖市出身。東京藝術大学卒業後、フリーランスの声楽家として各地での公演や音楽教育の場に携わる。その傍ら、自身もゲイであることを公言し、地元を中心に全国で性的マイノリティに関する活動を展開。
2017年から所属する「おっさんレンタル」では、「自らのマイノリティ性を見つめ、受け入れられた時、誰かのマイノリティ性に寄り添えるのでは」という信念を持ち、多種多様な困りごとに対応する。犬や猫が好き。
2019年8月発行雨あがり3号「新しい」掲載