
新宿二丁目を楽しむ、お酒好きなみうらさん。地方から東京へ出てきた際の苦労や、お酒の話、またみうらさんの目から見た異性愛者の世界など、みうらさんの日常を伺いました。
セクシュアリティについて
インタビューのはじめからグレーな回答なんですが、セクシュアリティはゲイって言ったほうが、説明しやすくて私も楽ですね。自分の体に対する違和感は多少あるんですけど、見た目を変えたり、女性になりたいわけでもない。今の状態で80%満足してるんですよ。説明が難しいんですが、削ぎ落としたり増やしたりしなくていい、このままがいいです。でもこれから変わることもあるかもしれないので、ゲイです!と名乗るのもなんだかなぁって思っています。
カミングアウトへの想いと地元・秋田での生活
とにかく東京に来てみたかった!秋田の実家にいた当時はネットも今ほど活発ではなかったし、出会いを求めにバーに行ける年齢でもなくて。秋田にいると、個々の繋がりしかないから、恋愛と友情の違いが曖昧で、地元での出会いは大変でした。なので上京して良かったです。とはいえ、上京したからゴールじゃなくって。満員電車とか人混みとかつらくて、東京では生きていけないわ…。と、当時のみうら少年は思ってましたね。今ではもう新宿の人混みもこう、ススッとね。
実家とはあまり連絡を取っていなくて、家族にカミングアウトをするつもりもないです。カミングアウトって、したほうが良い派と、しないほうが良い派、けっこう派閥がありますよね。そういうのって、その人の親の年齢層とか、どんな人が親なのかにもよると思うんですよ。
実家の両親は、世の中にマイノリティがいることもそもそも知らないような、男の子は自然と女の子を好きになると思っている世界の人たち。何十年もそうやって生きてきた人に対して、残り長くない命なわけですよ?世界は広いんだぞ、LGBTとはなんぞや、みたいな話をするのも可哀想なので、そっとしておきたいです。
理解ある職場は気楽にすごせる場所
職場は服装の決まりもないので、このまんまの格好で、ヒラヒラさせながら行ってます。セクシュアリティに関しては隠してないっていうか隠さないっていうか。で、あまりにもそういう質問が来ないから、逆に聞いてみたんですよ。職場にこういう人がいたら、なにかしらは聞いてくるものでしょうよと。そうしたら「逆にあなたにそんなこと聞く?言わずもがなでしょ?」って。
幸いにもコンプライアンスとかに明るい環境だっていうのもありますが、気楽というか、普通にしていて困ったことがないんですよね。でも、私の雰囲気特権みたいなものもあるでしょうね。自分から無理をして言わなくても察してくれているので、気にしないでいられます。

お酒のない繋がりを新規開拓中
新宿二丁目にはよく行きます。上京してから、かれこれ1●年くらい?通ってますね。徒歩圏内に住んでいたこともありました。お酒にしかお金を使わないのって、ある意味経済的なんですよ。(買い物や旅行と比べて、いかに飲みは安く済むかを力説するみうらさん。)それにそういう場って、普段接点のない人にも出会えますしね。聞いたことある会社だなぁって思ったら、お付き合いのある会社の人だったりして。
人と話すのは得意ではないんですが、お酒の勢いがあれば話せます。でも一時期、体調を崩してしまって、お酒を飲むのを控えていました。でも飲まなくなったら友達がガッと減ってしまって。お酒を飲まないとこんなに人と会わないものかとびっくりしました。でも確かに飲みに行かなくなったら、出歩く理由がなくなるような生活をしてたんですよね。なので、ここ最近はお酒を飲まない交友関係を築こうと思って、お酒のない場所にも行くようにしています。麻雀したり人狼ゲームしたり、地域のLGBTコミュニティに行ってみたり。他にもおすすめがあったら教えてほしいです。
今後みうらさんがしてみたいこと
無趣味ってとにかく暇なので、もうちょっと何か、忙しくなりたいですね。週末ぼーっと過ごしちゃってて。副業したりジムに通ったりしたいです。そうしたら毎週行かなくちゃいけなくなるって考えると、なかなか踏み切れないですけど…。パートナーは、欲しい気持ち半分、いなきゃいないでそういう生活も楽しんでます。
もしもいい相手が見つかったら、お相手のカレンダーを作りたいです!(笑)A3サイズにして、芸能人のポスターみたく壁に貼ります。夏は水着、冬はコートを着てもらって。
あとは、友達との旅行にパートナーを連れていきたいですね。もし友達が連れて来たら絶対、なんで連れてきた?なんでこの場に色恋もってきた?ってなるんですけど、もしも自分にできたら話は別、どんなことがあっても私が守るから、って言いたい。ただの旅行なのに(笑)
非日常を感じられる異性愛者の世界
普段はゲイの友達か、気の合う女性とよく遊んでいますが、異性愛者と話すと、異性愛者の世界って非日常で楽しい!異性愛者の世界はこんな感じか!社内恋愛とか、やることやってんね!って。最近は職場の飲み会も行きたがらない人が多いみたいですが、私は年上のお姉さま方とキャッキャして楽しんじゃってます。
職場での飲み会は、詮索されすぎない心地よさもあるのかも。でも恋愛の噂話とかはノリノリで参加しちゃう。記事には書けないような、昼のドラマのような話も好物で(笑)もちろん、私のセクシュアリティのことも言われているんでしょうけど、恋愛の話で盛り上がるのは異性愛者も同性愛者も同じですね。
私は異性愛者じゃないので、異性愛者の世界に行くと性から解放されるんですよ。なんにも色気がないから、その人自身としっかり向き合えて、より繋がれる感じがしますね。もっとみんなが自由になれたらいいのに〜〜って思ってます。

2019年2月発行雨あがり2号「繋がり」掲載